商品詳細
発行年:1975年 ed.1000
レーベル:Gemini G.E.L.
言語:英語
サイズ:LP
コンディション
微細な経年劣化あるものの大変良好
盤:試聴しました! 問題ありません。
ジャケット:大変良好 コンディションは写真をご覧ください
中古品につき、細かい劣化についてはご理解くださいませ。
注意事項
画像をよくご覧いただき、ご検討の上、中古品の特性を良く理解頂ける方のみのご注文をお願いします。神経質な方のお求めはお控えください。
ノークレーム&ノーリターンでお願いします。
店主よりコメント
1975年にニューヨークのレオ・キャステリとロサンジェルスのエースギャラリーで同時開催された
キース・ソニアのサウンドインスタレーションのレコード
と言ってしまうとあまりにも乱暴すぎるので、もうちょっと説明を試みてみます!
店主がこのページデータを入力しているのは2019年のMac book(騙し騙し使っています)
Apple社のマークのリンゴが齧られているのは、アラン・チューリングへのリスペクトがあると言われていますね。
第二次世界大戦中、ドイツ軍の使用していた暗号機エニグマを解読したことでコンピュータの基礎を築いたとも言われるアラン・チューリング。
しかしながら、当時のイギリスは同性愛は禁止されていて、矯正化学療法を受けているチューリングが毒入りのリンゴをかじって亡くなった・・・という逸話からapple社のリンゴは齧られているとかいないとか・・・(すごくざっくり)
そんな歴史があることは別に知らなくても、現代の私たちは、コンピュータやインターネットが生活インフラの一部である社会に生きているので、NYとL.Aを双方向に結ぶと言ってもなんとも思いません。
zoom、facetime、LINEなどでいつでもどこの人ともビデオ通話できるし、オンライン講座なども普通に開催されているし、3歳くらいの子だってビデオ通話できる。とても想像しづらいですが・・・
1975年当時の遠距離コミュニケーションは、郵便と電話(もしかしたら伝書鳩?とか)
コードがグルグルしているあの黒電話を想像してください。
電話は受話器を持つ人同士、一人対一人のコミュニケーションですが、
この当時のキース・ソニアは会場と会場を電話線を通して繋ぎ、NY とLAの展示空間を繋ごうと考えたのです。だからタイトルがAIR TO AIR
その展示の様子がこちら(レオ・キャステリのアーカイブweb)
https://www.castelligallery.com/exhibitions/keith-sonnier-air-to-air
(システム的には16チャンネルとか諸々)
キース・ソニアはネオン菅などを使って空間を光によって創出する彫刻で知られるコンセプチュアルアーティスト。石や木など物を彫っていく彫刻ではなくて、光という手にできない素材で空間を創出するということから空間に興味があるのだと思います。
インターネットの概念も一般的でないこの時期に、二つの展示会場をクラシックでシンプルな電話回線で一つにして体感させるというコンセプトの作品でした。
LPのA面はNY→LAへの方向の会話の録音。B面は、LA→NY の方向のチャンネルを聞くことができます。
会場の話者(双方ともギャラリーの顧客だそうです)が同時に驚いたり奇妙な声をあげたりしています。参加者の一人はこの体験を「スーパーテレパシー」と呼んだそうです。
先にも述べたように、コンピュータやインターネット無しには暮らせないまでになっている私たちからしたら、このキース・ソニアの展示は技術的には何も目新しくありません。が、この時代背景にしてこのシンプルな方法で、距離ある画廊空間を一つにしようとしたコンセプトを展示しようとしたことは、アートマーケットへの反発とも受け取れ、また物質社会からの(売買できない作品)脱却さえも感じます。
チューリングのような天才でなくても良いのです。その時手に入る技術で、できることを新しい何かを使って創出できる、私たち人間にはそういったクリエイティビティがあるのだという希望を感じる作品です。コンセプチュアルアートからはそんな脳のマインドのシフトチェンジを導いてもらえるのでぜひぼんやりとでもいいので観ていただきたいと思います。
このレコードは、フィリップ・グラスのNY公式プロデューサーで、ブライアン・イーノ、デヴィッド・ボウイ、も手がけたカート・ムンカッシがプロデュースしているのです!!
また発行元は版画の版元として知られるGemini G.E.L.から多分唯一発行されたレコードです。
このレコードは1000枚限定のものですが、限定50の透明プラスチック製展示用盤、キース・ソニアのサインとナンバリングが収録されてるデラックス・ヴァージョンも発行されています。
そしてこのLP 、なんとフィールドレコーディングに分類されています。
今話題のフィールド・レコーディングですよ!
フィールド・レコーディングについては、今年4月に出版された柳沢 英輔 さんの
「フィールド・レコーディング入門 響きのなかで世界と出会う 」フィルムアート社
をお勧めします!
あと、音を聞いて観たい方はYoutubeにありましたのでリンクを貼っておきます
https://www.youtube.com/watch?v=0kZ-OkOkPGI
¥25,000
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