
MATSUZAWA Yutaka: Poeta astronosiae
シリーズ2
商品情報
・タイトル:松澤宥の詩 カルマン線を超えて
・編著:金澤一志
・発行:Telescope
・価格:¥1.430(税込)
・仕様:ソフトカバー / 32ページ / 2026年 / 14.8cm x 21.0cm / 日本語
概要
日本が誇るコンセプチュアルアーティスト・松澤宥(まつざわ・ゆたか 1922-2006、または1922-2222)が「オブジェを消せ」という啓示をうけてオブジェ制作をやめたエピソードは有名です。その十年前に、啓示はありませんでしたが「詩をやめた」ときがあります。最初は「詩人」だったのです。
詩人時代のあとも松澤宥はことばを素材にした制作をずっとつづけることになります。でもそれは詩ではなく「言語による美術作品」なのだと説明されます。それにしては美術作品のようにみえる詩をたくさん書いていて、詩人が消滅して美術家が生まれたわけではなく、かわらない精神のようなものを継続させたうえでの転身だったと考えるべきでしょう。
Telescopeでは松澤宥の「詩」に焦点をあてて稀代のアーティストの精神の源流をさぐる研究を叢書として刊行します。構成編集は余人をもって代えがたい金澤一志によります。本書はシリーズの第一冊にあたり、1940年代からの最初期の詩篇を収載し、また「松澤宥の詩」シリーズの総論にあたる論考をおさめました。
『松澤宥の詩 カルマン線を超えて』 松澤の詩研究叢書2
カルマン線(カーマンライン)は高度100キロに設定された領界で、世界各国が宇宙開発に乗りだしていた1950年代には100キロより先を「宇宙」と呼ぶ共通理解がありました。この高度100キロ、なかなかむずかしい課題だったらしく到達率はたかくありません。アメリカは独自にラインを50マイル(80キロ)に引き下げて、超えた、成功した、宇宙に届いたと国内に向けて派手に宣伝することになります。自国ファーストでルールをねじまげようとするのはもはやアメリカの伝統芸だといえます。
松澤宥は記号だけで書かれた詩、グラフィックデザインのような詩をたくさん書きました。一見しただけでは絵画のように感じとることしかできなさそうですが、ていねいに読み解くと主題があり、主人公がいて、物語があらわれます。ある一篇の詩は、アメリカの宇宙開発にまつわるアルバート六世の悲劇について詠まれたものでした。造形詩を解読する一冊。
内容
・松澤宥 マッカッカ・ミユラタの詩
・論考 宇宙空間のマカカ / 金澤一志
※清里現代美術館との精神的ネットワーク
今回の出版におきまして私たちが想起するのは長野ー山梨のアート伏流です。かつて清里現代美術館の伊藤信吾氏と松澤宥のあいだには濃密な交流がありました。お互いの精神性に共鳴していた彼らの往還がこの地域のアートシーンに強靭な土壌をはぐくむことになったと思います。松澤宥はアメリカ留学時代にあのジョージ・ケペッシュからの誘いをことわって帰国した諏訪ファーストのひとです。強烈な精神が土地、地域とむすびついていることはまちがいのないところです。山梨に在している私たちがこの企画を手がけることは、精神の継承を実感する機会になっています。
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