
商品詳細
発行年:1970
発行:Robert Motherwell本人+GREENWICH GAS AND POWER.
内容:ロバート・マザウェル Robert Motherwell 直筆レターヘッド書簡一枚
コンディション
経年並
注意事項
画像をよくご覧いただき、ご検討の上、古いものの特性を良く理解頂ける方のみのご注文をお願いします。神経質な方のお求めはお控えください。
ノークレーム&ノーリターンでお願いします。
店主よりコメント
ここ数日は特に情報漏洩やデータ管理の話題が世間を賑わしていますね。
デジタルデータの流出は目に見えませんが、個人で対策できることはしないといけない時代です。
さて、デジタル社会に入る前のこのエフェメラも、情報漏洩といえばまさにソレかもしれません。1970年12月、名著『The Dada Painters and Poets』を編纂し、ダダの反芸術精神を世に開示した抽象表現主義の巨匠ロバート・マザーウェル(Robert Motherwell)。
彼が自身専用のレターヘッド便箋に書いた1枚の手紙。
内容は「アトリエの暖房を電気に切り替えたから、割引レートを適用してほしい」という、電力会社へ宛てた超!日常的な申請でした。
1970年、マザーウェルはニューヨークからコネチカット州グリニッジ(909 North Street)へと生活と制作の拠点を移し、新たな巨大スタジオの立ち上げに追われていました。本格的な冬の到来を前に、広大なアトリエの暖房設備を整えようと巨匠自らが電力会社に申請——そんな制作現場の生々しい背景が隠されています。 ただの事務文書ですが、そのプロセスは極めて「ダダ/反芸術」的……
1.生活者としての制度への「接続」
巨匠が生活者として電力会社という社会的制度にアプローチし、自ら手書きで用件を認める。
2. システムによる不可逆な「介入」
手紙を受け取った電力会社の担当者が、顧客台帳と照合して手書きで口座番号(023-824006)を書き込み、「DEC 17 1970」の受付印を捺印。
3.偶然性が生む「完成」
手続き完了後、真っ赤な「PAID 2/8/71」スタンプがドカンと押され、企業のファイルへ保管される。
4.流転と生存
そしてなぜか、この個人情報満載の紙片が流出し、様々な人の手を経て清里現代美術館のオートグラフファイルへと収まり、50年以上が経ったいまもこうして残されている……。
マザーウェル本人の筆跡、担当者のメモ、赤と黒の事務スタンプ。
作家の意図を超え、社会システムとのやり取りの中で偶発的に立ち現れたこの紙片の佇まいは、まさに「メール・アート」と同じ挙動であり、日常のシステムが偶然生み出したアンチ・アート(反芸術)であり、Art into Lifeへの接続点。
デジタルデータと違って、紙片として社会を巡り、人の手を経て届いた“人と社会システムが交差した生々しい痕跡”が「形」として残っている。
紙もの好きな方が額に入れて飾るなら、こんな現代的なエフェメラこそ!と思っている店主です。
¥48,000 ($304.64)
※この商品は1点までのご注文とさせていただきます。