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2024/06/03 18:45

昨年5月に清里現代美術館アーカイブブック1 ephemeraを出版することができ、
11月にはTABF2024で、清里現代美術館アーカイブブックプロジェクトの展示をしていただきました。

清里現代美術館の資料をまとめた本が無いので作った方がいいと動いてくださったディレクターの石崎さん、
デザイナーの阿部さん、フォトグラファーの尾原さん、ディストリビューターのtwelvebooksさん、
みなさんの強い気持ち一つから始まったことでした。
伊藤家から蔵書資料を預かった際にはこんな展開になるなんて思いもしていなかった店主、今でも信じられない思いです。
出版後もたくさんの方にご協力いただき今に至ります。本当に感謝しております。

清里現代美術館アーカイブブックプロジェクトは現在アーカイブブック2 FLUXUSを編纂中で、今年出版を予定しております。
この他に、清里現代美術館で1992年、ジョン・ケージが亡くなった年に企画したジョン・ケージメモリアル展の際に、
店主夫(当時はまだ夫ではなかったですが💦)広瀬豊が制作した音源を再リリースするアーカイブプロジェクトも発動いたしました。

そして、この度、伊藤家(清里現代美術館)から預かっている資料のコレクションを生かして現代アートや芸術哲学を研究、出版するNPO法人を設立することになりました。
現在施設で療養中の館長とも相談しながら、実はもう随分前から準備して参りました。
相談していた行政書士さんには、法人にはなっていないけれど、これまでの活動はNPO活動なのだと教えていただきました。
法人設立後は、アーカイブプロジェクトの他にも、展示やワークショップなどの教育事業、現代アートをより近く感じていただけるプロダクト事業など、アートと皆様の視界を近づける望遠鏡:Telescopeとして展開して参ります。


1990年〜2014年の清里現代美術館が存在した時代は、今よりももっと「経済力」がストレートにものを言う社会でした。
当時のアート界は華やかでしたので、個人の脆弱な経済力で運営していた清里現代美術館は、教育機関ではあるのにどこからも支援が得られず、ディレクターの信吾さん、館長の修吾さんはだいぶ苦労したはずです。
その結果、コレクションの方法を作品中心から、書籍資料・エフェメラなどの周辺資料にシフトすることで独自性が生まれたのですが・・・・当時は、一部の熱烈なファンを除き、世間の冷たい反応に憤慨しまくっていたことが思い出されます。
信吾さんの遺したPCには個人美術館の限界に果敢に挑戦しつつ、果たせなかった夢への忸怩たる思いが滲む手紙や書類、デジタルアーカイブへの取組の痕跡などが残されています。
店主も義父母の介護や子育てに追われて、一番苦しい時期に恩師である信吾さんを何もアシストできなかったことが悔やまれます。
それでも清里現代美術館は24年の間、少なからず熱心なファンに支えられました。そして今、当時の美術館を知らなかった世代にも伊藤家のインディペンデントな活動はむしろ評価を持って受け入れられている様に思います。
店主が片田舎で預かっていても日の目を見ることのなかった資料類を生かしてゆける NPO Telescope がいよいよ船出いたしました。
今後の活動にご期待いただくと共に、どうぞ皆様の応援・ご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

NPO法人Telescopeのホームページ(暫定)はこちら
https://www.npotelescope.com/
(秋頃にはデザイナーさんにもっと素敵に作っていただきリニューアルする予定です)
また、NPO法人Telescopのinstagrumも開設いたしました。
https://www.instagram.com/npo_telescope/

この古書店のサイトは、今後ものんびりと運営して参ります。
NPO 活動と共に、今後とも変わらずどうぞよろしくお願いいたします。

店主 廣瀬 友子